事故物件・心理的瑕疵物件・嫌悪施設について

設備や間取りといった物理的な損傷などの欠陥を除き、周辺の相場に比べて価格が安く設定される要因として以下のようなものがある。

死亡系

通称、事故物件。基本的に死亡系は新たな入居者にとって実害がない。したがって心理的瑕疵物件とも呼ばれる。不動産会社の資料などには「告知事項あり」と記載されることが多い。霊の類を全く信じない人でも詳細を聞いてしまうと二の足を踏むような悲惨な事件が起きているケースもある。

自殺

事故物件の典型。室内での首吊りや酸欠・薬物等によるものや、飛び降りなどがある。飛び降りの場合は共同スペースの廊下や屋上で発生することも多く、どれだけその部屋に密接に関わるかで価格も変動する。一家心中や(殺人事件に近いが)無理心中なども多い。

死体発見の遅れ

自殺はもちろん事故死、病死や自然死のあとで発見が遅れた場合は死体が腐敗し室内に死臭や痕跡が残りリフォームすることになる。リフォーム後は臭いも痕跡も通常は確認できない。

殺人事件

突発的な事件に加え、全国的に有名な事件の場合もある。凄惨な内容の場合が多く、複数人が殺害されたり、遺体の切断や切断後の一部をトイレに流すなどの残虐性が高い事件などもある。遺体を放置するようなケースも散見される。死体放置の代表例は女性がそこで出産し赤ちゃんがそのまま遺棄されるもの。また、全国的に有名な凶悪事件の犯人が住んでいたということが報道などで周囲に知れ渡り、やむを得ず価格が安く設定される場合がある。その部屋から被害者の遺留品が出たり、凶器が見つかったりすることなども影響する模様。

事故・火災

転倒、感電、火災などによる事件性のない死亡事故。火災による死亡事故は周辺住民にもわかりやすいため、事故としては風化しにくい特徴がある。

嫌悪施設系

一部は心理的瑕疵物件に限りなく近いものもあるが、実害を被る可能性が高いものが多い。

怖い人の事務所

近所、もしくは同建物内に事務所が入っているケース。治安の低下は免れない。拳銃や凶器を持った人物が行き交っている可能性を否定出来ない。銃弾が壁などに打ち込まれるケースや、抗争などが発生し殺人事件が発生する場合もある。隣人が事務所ではなく怖い人の住居の場合も聞けば教えてくれるようである。

風俗店及び風俗店事務所

近所、もしくは同建物内に店舗や事務所が入っているケース。わかりやすく店舗として営業している形態と、通常の住居と見分けの付かない営業形態がある。利用客や従業員女性が引っ切り無しに行き交う可能性がある。概ね治安は低下する。

宗教施設

近所、もしくは同建物内に宗教施設がある。特に音楽や祈祷時の発声などが流れてくる、何らかの匂いを発する、過去・現在において問題視されている団体の場合などが嫌悪対象となる。また、勧誘などが激しいタイプの宗教も嫌悪される。

斎場・墓地・火葬場

斎場や墓地は気にしない人は多いが、火葬場は根強く嫌悪される。墓地の場合はお供え物や水分が豊富なため、虫が多くなりがちで蚊などが発生しやすいというデメリットもある。

変電所・高圧線鉄塔

これらの施設の電磁波による人体への影響は両論あり。概ね科学的なアプローチを採った内容の資料は、無害であるという論調が多数(あくまで個人的な感想)。ただし、未知の因子による悪影響などは十分ありえる。電磁波の影響とは別にジージー、ジリジリジリ、ブーンといった音が鳴っており距離や風向きなどによって聞こえる場合がある。高圧線の鉄塔上部ではバチバチ音が鳴ったり火花が日常的に発生している。また強風時は送電線などで風切り音が発生し、比較的高い大きな音が鳴るケースも珍しくない。

学校・通学路

幼稚園、保育園から高校まで。日中自宅にいないライフスタイルの場合はあまり問題とされないが、仕事の都合などで昼夜逆転の生活をしている人には睡眠時間と重なるため騒音とみなされる。歓声や叫び声の他に各種楽器の音が日常的に入ってくる。低層階の場合は通学路も同様に騒音発生源となる場合がある。また通常の生活習慣でも休日は部活動や学校行事が行われるので気になる人は避けたほうが無難とされる。大学が隣接している場合は学校にもよるが騒音よりも一般的に治安がやや落ちる程度の影響とされ価格に影響するほどではない。

その他施設・環境

 軍事施設、原子力・核施設、工場・倉庫(悪臭・公害・ガス・火薬など)、廃棄物処理施設、下水処理場、刑務所、精神科病院、ラブホテル、食肉処理施設、飛行場、線路脇など。

番外

これらは価格低下に影響しないばかりか高くなることもあるが、住みにくい物件となる場合もあるので注意。

1階やすぐ横や目の前が飲食店やコンビニ

まず人類に最も嫌悪されている昆虫の温床になる。コンビニの場合は夜中や朝方まで若者が談笑したり奇声を上げたりするポイントになっていることがある。同じくコンビニは排気量の大きいバイクやトラックなどが時間を問わず出入りするため、重低音の効いた騒音源となることがある。1階がコンビニや飲食店の場合は騒音や昆虫から離れた高層階が望ましい。

公園・川・池・森林など

蚊や虫が苦手な人は避けたほうが無難。高層階でも虫が訪れる可能性が高まる。また見通しの悪い公園の場合は治安面でも悪影響となり夜は事件などが起こる可能性もある。コンビニ同様若者のたまり場となっていることも多い。

抜け道

面している道が歩道のない抜け道の場合は事故の危険性を考慮すべきである。信号が少ないまま優先道路を保った道路はタクシーやトラックが好んで利用する。慣れのためか細い路地の割にかなりのスピードで走行する傾向があり、子供などには極めて危険な住環境となる。

幹線道路・高速道路

主要な道路に面している場合は洗濯物を外に干すことは諦めることになる。細かいすすのような黒い粒子状の物質が付着し、匂いも気持ちのいいものにはならない。このため乾燥機や浴室乾燥機が必須となる。外気温が心地よくとも窓を開けているとカーテンが窓の形に黒くなるくらいに空気が汚れている。交差点付近の場合は騒音を発生させる車両が信号などで停止する可能性が高まる。また重量の重いトラックなどが高速で通過すると騒音や排気ガスもさることながら、地盤全体に細かい縦揺れが発生し建物も揺れる。それによって建物の経年劣化も早まる。空気の汚れと騒音は低層階ほど顕著で価格が安くなっているが、高層階ではデメリットが薄まり利便性などが上回るため価格は割高となる。

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