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アイラブユー・ゲーム
授業が終わると教室は急に開放的な雰囲気となった。ゴソゴソと部活の準備をしていると形嶋が俺を呼ぶ。形嶋美咲とは出身の小学校は違ったが、気づけば早々に友人となったうちの一人だ。どちらかと言えば威勢のいい彼女だが、今日のその声は少しか細い。同じクラスであるのにわざわざ廊下から呼んでいるのも変だ。この時点で...
2017年M1グランプリで見た「さや香」の煌めきと錯覚
今年もM1グランプリを見た。年間を通してお笑いの番組を見ることはほぼないが、M1だけは見ている。こんな素人だが、今年は気になったことがあったのでメモしておく。 毎年そうだがどの組も面白かった。順位や優勝者などに異論もない。涙を流して笑ってしまった。「あとは年を越すだけになったな」そういう気分に...
マンション自治と国政
今住んでるマンションでの議案について旧理事長派と現理事長派で意見の対立が起こっていて、マンション内で(結構まともな)ビラが行き交っている。 住人としてはどちらの意見がより正しいのか、もしくは公益性があるのかを知りたいわけだが、総会の資料やビラを丹念に読んでもどちらに分があるのかはわからない。 ...
激遅になった回線速度が「IPv6 over IPv4トンネリング」で元よりも速くなった話
「IPv6 over IPv4トンネリング」によって夜間1Mbpsだった速度が80Mbpsに戻った。いや、今までにないくらい速くなった。ばんざーいという話。ちなみに1Mbpsは画像が少しずつ表示されるほどの遅さ。理論値最大100Mbpsの回線での計測なので、1Gのサービスなら数百Mbps出るはず。 ...
花が苦手という話とスケートリンクの魚
花は生々しすぎて少し苦手だ。どうしても「必死に命を咲かせている」という印象が頭をよぎる。一般的なイメージと思われる「きれい」「かわいい」なども当然理解できるが、同時に生き物としての生々しさが強調されて見えてしまう。 野に咲いている花は生々しいもののそこまで苦手ではないかもしれない。それも遠目な...
寿司屋で地震とドイツ人に遭遇した話
一人寿司屋で食ってたら両隣がどっちもドイツ人になった。左側が二人組で二人とも灰色のスーツを着てドイツ語でずっとなにか喋っていた。右側はラフな格好の一人客だった。一人で来ていた人も途中携帯でドイツ語を話していたので恐らくドイツ人だろうということになった。 みんな上手に箸を使っていて、海外ドラマで...
町の洋食屋と米沢牛と美容整形
3月のある日。「春の到来だ」とニュースか何かで聞いた昼の陽気とは一転して、随分と冷たい風が懐に入り込んできていた。上着の横から冷たい空気が入らないようにするためなのか、寒さに身構えるためなのか、自然と脇を閉めて腕にも力が入る。寒い寒い。夜も22時を回り、人通りも少なくなっていた郊外の見知らぬ通りで、...
ミツカンの将棋盤とは一体どういうことなのか
恐らく物心付く前から、もしかすると生まれるまえから家に存在する将棋盤と駒。親戚などから譲り受けたかのような言動を記憶しているが、今となってはよくわからない身元不明品である。ある日唐突に、「もしかしてマウスパッド代わりにいいんじゃないか」と思いついて引っ張りだしたところから始まる。 マウ...